岡崎写真館 ガラス乾板

母の黒留袖をなおしました。半年くらいかかり、ようやく出来上がりました。金糸などの刺繡糸も経年劣化とのことで、一つ一つ細かく手作業してくださいまして、しかも、身丈、裄などを全て直し、マンションでいうなれば、大規模修繕でございます。修繕積立金全て使い果たしました。ですので、せっかくでございますから、五反田にございます岡崎写真館の伊興田先生に、ガラス乾板による撮影をお願いいたしました。いくら技術は進化しても、人間の魂は、変化いたしません。そんな簡単には、人間という生きものの真髄はかわらないのです。母が他界し、1年以上経ちました。父は、私が20歳代のときに亡くなりましたので、おおよそ、30年以上、私たちは、いまいるこの地球、その中にあります日本という土地で過ごしてまいりました。どこまで歩いても、飛行機に乗っても、目にかかることができない母の姿。しかしながら、その魂が、この写真に写りました。わたしは、もう少しだけ、がんばります。