スティーブン・R・コヴィー人格主義の回復『7つの習慣』

このスティーブン・R・コヴィー氏の『7つの習慣』は、20数年前に勤めていた外資系コンサル会社時代、会社から読むようにと無償で配布された。まだ英語版でしか出版されておらず、途中で挫折。ありがたいことに、今では、日本語訳が出版されている。世界的なベストセラーである。私は、今年夏まで、二足のわらじを履く先生稼業をしていた。しかしながら、わたしにとっては、違う職種で先生と呼ばれることを2つこなすことは、難しかった。そして、私は、こちらの先生を選んだ。

「私たちは誰でも、人生でさまざまな役割を持っている。いろいろな分野や立場で責任を担っている。これらの役割はどれも同じように大切である。人生をもっと効果的に生きる努力をするときに陥りがちな問題の一つは、思考の幅が狭くなってしまうことである。効果的に生きるために必要な平衡感覚やバランス、自然の法則を失ってしまうのだ。例えば、仕事に打ち込みすぎて健康をないがしろにする。成功を追い求めるあまり、かけがいのない人間関係をないがしろにしてしまうこともあるだろう。人生での役割を明確にし、それぞれの役割で到達したい目標をたてれば、バランスがとれ、実行しやすいものになるであろう。自分の人生での大切な役割を念頭に置いてミッションをかくと、生活にバランスと調和が生まれる。それぞれの役割をいつでも明確に意識することができる。自分の役割と目標を常に掲げていれば、自分で迷いが生じたときに、答えは必然的に出てくる。」


 私は、弟子に、常日頃、バランスをとるよう言っている。体のバランス。心のバランス。そして、次に何をするから、今、このようにするのだ、と。

 英語版のこの本を、20数年前に読んでいれば、いま、わたしは、もっと良い先生になれていたであろう、と思う。